育休手当(育児休業給付金)はいくらもらえる?

社労士コラム

1. 育児休業給付金とは?

育児休業給付金とは、育児のために休業する労働者が収入を確保しながら育児に専念できるようにするための制度です。
雇用保険制度の一環として運営されており、一定の条件を満たした労働者が受給できます。

2. 給付対象者

まずは育児休業給付金の対象となる条件を簡単に確認していきましょう!
基本的には以下の条件を満たす労働者です。

  1. 雇用保険に加入していること
    • 育児休業開始前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12か月以上あること(1か月に11日以上働いた月が対象)。
    • パートや契約社員でも、雇用保険に加入していれば対象となる。
  2. 育児休業を取得していること
    • 原則として1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得していること。
    • 保育所に入れないなどの事情がある場合は、最長2歳まで延長可能。
  3. 休業中に賃金が支払われていない、または50%未満であること
    • 休業中に賃金が50%以上支払われる場合は、給付金の対象外。
      ※基本的には育休は稼働がないため給与支払いがない場合がほとんどです。

3. 給付期間

育児休業給付金の給付期間は、原則として子どもが1歳になるまでです。ただし、以下の場合には延長が可能です。

  • 保育所に入れないなどの事情がある場合 → 最大2歳まで延長可能。
  • 育休を分割取得する場合 → 2回まで取得できる。※所定条件あり

3-1. 給付額の変動について

育児休業給付金の支給額は、育休開始からの期間に応じて変動します。

  • 育休開始から180日(約6か月)まで: 休業開始時賃金日額の67%
  • 181日目以降: 休業開始時賃金日額の50%

このため、休業開始から半年間は手取り額が比較的高く、半年以降は減額される仕組みになっています。

4. 給付額について

4-1. 給付額の計算方法

次に自分が育児休業給付金をいくらもらえるのか確認していきましょう!
育児休業給付金の計算方法は、以下のようになります。

育休開始時の賃金日額 × 支給率 × 支給日数

  • 育休開始時の賃金日額 = 育休開始前6か月間の総支給額 ÷ 180
  • 支給率 = 休業開始から180日まで67%、181日目以降50%
  • 支給日数 = 1か月あたりの暦日数(30日または31日)

具体例: 例えば、育休開始前の6か月間の総支給額が180万円(1か月30万円)の場合を見ていきましょう!

  • 賃金日額 = 180万円 ÷ 180日 = 10,000円
  • 初めの6か月(180日)の給付額 = 10,000円 × 67% × 30日 = 201,000円
  • 181日目以降の給付額 = 10,000円 × 50% × 30日 = 150,000円

5. 給付中の社会保険、労働保険について

育児休業期間中の社会保険料や労働保険料の取り扱いについても確認しておきましょう。

5-1. 健康保険・厚生年金保険料の免除

育児休業中は、健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。

  • 免除期間:育児休業開始月から終了月まで。
  • 免除されても、将来の年金額には影響しない(保険料を納めたものとして扱われる)。

5-2. 雇用保険料の支払い

雇用保険料については、育児休業給付金の受給者は支払う必要がありません。

5-3. 労災保険の扱い

労災保険は、会社が全額負担するため、育児休業中の労働者が個別に負担する必要はありません。

6. まとめ

育児休業給付金は、育児休業中の生活を支えるための重要な制度です。

  • 対象者: 雇用保険に加入し、一定期間の勤務実績がある労働者。
  • 給付期間: 原則1歳まで、最長2歳まで延長可能。
  • 給付額: 休業開始時賃金の67%(6か月間)、その後50%。
  • 社会保険・労働保険: 健康保険・厚生年金保険料は免除、雇用保険料は支払い不要。

育児休業を取得する際には、会社の人事担当者やハローワークに相談し、正しく申請することが大切です。給付金を活用し、安心して育児に専念できる環境を整えましょう!

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