「年収の壁」という言葉は、働き方を考える際によく話題になるポイントです。特に、パートタイムやアルバイト、扶養内で働く方々にとって、一定の収入を超えることで手取りが減少する可能性がある重要なテーマです。本記事では、年収の壁の概要、主な種類、影響、そして対策について、わかりやすく解説します。

目次
(POINT) 年収の壁とは?
年収の壁とは、所得が一定金額を超えると、税負担や社会保険料の支払いが発生し、結果として手取り額が減少する現象を指します。特に、配偶者控除や扶養控除、社会保険の加入要件と密接に関係しています。
従業員目線だと手取り額が減少する分、将来もらえる年金の増額が期待できる一方
企業側としては従業員の社会保険料の折半負担が発生するため、人件費が増加します。
ここでは従業員側と企業側でどんな壁に気を付け、どのような対応が発生するか見ていきましょう!
主な年収の壁とその仕組み
次に実際にどんな種類の壁があるのかを見ていきましょう!
1. 年収103万円の壁
- 対象者: 配偶者が給与所得者(会社員や公務員)である方。
- ポイント:
- 年収103万円を超えると、所得税の課税対象になります。
- 配偶者の扶養控除対象から外れるため、配偶者側の税負担が増える可能性があります。
2. 年収106万円の壁
- 対象者: 社会保険適用の条件を満たす従業員。
- ポイント:
- 年収106万円を超え、以下の条件を満たす場合、**自身で社会保険(健康保険・厚生年金)**に加入する必要が生じます。
- 週20時間以上の勤務(かつ学生ではない)。
- 勤務先の従業員規模が51人以上の企業(2024年10月~)。
- 月額報酬が8万8,000円以上(年収ベースで106万円以上)。
- 勤務期間が1年以上見込まれる。
- 社会保険料を自己負担するため、手取り額が減少しますが、将来的な年金受給額が増えるというメリットもあります。
- 年収106万円を超え、以下の条件を満たす場合、**自身で社会保険(健康保険・厚生年金)**に加入する必要が生じます。
3. 年収130万円の壁
- 対象者: 健康保険や年金の扶養に入っている方。
- ポイント:
- 年収が130万円を超えると、扶養から外れ、自身で社会保険に加入する必要があります。
- 年収106万円の壁と異なり、企業規模や勤務時間に関係なく適用されます。
4. 年収150万円の壁
- 対象者: 配偶者特別控除を受ける世帯。
- ポイント:
- 配偶者の年収が150万円以下であれば控除額は満額(38万円)。
- 150万円を超えると控除額が徐々に減少しますが、201万円までは一定の控除が受けられます。
年収の壁が引き起こす影響
- 世帯全体の手取りが減少する可能性 年収の壁を越えることで手取りが増えない、または減少する場合があります。
- 就労意欲への影響 壁を気にするあまり、労働時間を調整し、キャリアやスキル向上の機会を制限することもあります。
- 企業側の負担増加 社会保険適用拡大により、企業の人件費管理が複雑化します。
年収の壁への対策
1. 就労時間や収入の計画を立てる
年収が壁付近の場合、月々の収入を計画的に管理することで、壁を意識した働き方が可能です。
2. あえて壁を超える選択を検討する
壁を超えることで、社会保険料の負担が増えますが、将来的な年金や保障の充実が期待できます。
3. 配偶者や家族と話し合う
世帯全体の収入や支出を見直し、どの選択が家計にとって有利かを検討することが重要です。
4. 専門家に相談する
社労士や税理士などの専門家に相談することで、最新の制度に基づいたアドバイスや具体的なシミュレーションが得られます。
まとめ
「年収の壁」は、働き方や収入を考える上で非常に重要なポイントです。それぞれの壁の仕組みを理解し、自分や家庭に合った働き方を選ぶことが、安心して働き続けるための第一歩です。
「どの壁が自分に影響するかわからない」「どのように対応すれば良いのか知りたい」という場合は、ぜひ専門家に相談し、具体的な対策を一緒に検討してみてください!
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